Cupful of Rabbit

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C93どうびじゅ本「桃色、黄色、とうめい、はいいろ」の感想 3

 

くろば・U先生のどうびじゅ本「桃色、黄色、とうめい、はいいろ」の感想です。

 

その1、その2をまだ読んでいない方はそちらからどうぞ(どちらもネタバレあり)

C93どうびじゅ本「桃色、黄色、とうめい、はいいろ」の感想 その1 - Cupful of Rabbit

C93どうびじゅ本「桃色、黄色、とうめい、はいいろ」の感想 その2 - Cupful of Rabbit

 

以下、ネタバレ注意です。

 

 

その2の記事では第五章までの内容について書いてきました。

では今回は第六章から…と言いたいところですが、よくよく見てみると第五章の次は第四章(Ⅳ)となっているではありませんか(ついさっき気がつきました)。

特に深い意図があるわけではなく、単純に第四章の続きという意味でしょう。

 

黄奈子は玄恵先生に、桃音は間違えて美術科に入ってしまったことを明かしてしまいます。

そこで黄奈子は玄恵先生にこう訊きました。

「先生は桃音は普通科に行ったほうがいいと思いますか」

玄恵先生は答えました。

「酒井の幸せが美術科の道の先にないのなら…(美術科をやめるべきだ)」

黄奈子は先生にそう言われたので、やっぱりそうだよな、と考え始めます。

また、玄恵先生は「教師は生徒が掴みうる最高の幸せを送り出すのが仕事だ」と言います。

桃音が掴みうる最高の幸せが美術科の道の先にはないのなら、美術科をやめて普通科にいく。

それが桃音にとって、ひとつの良い選択であることは黄奈子も理解しています。

―でも、それで自分自身(黄奈子)は最高の幸せを手にすることができるのか?

 

「桃音のたった一度の高校時代。当然、桃音が一番幸せになれるようにするのが良いのだろう。でも、それだと、自分の幸せが無くなってしまう」と黄奈子は考えたわけです。

黄奈子の「今の私が桃音と居られる、その時間も二度は訪れない」というのは、先ほど書いた黄奈子の思考を裏返した結果みたいなものです。

つまり、「黄奈子のたった一度の高校時代。黄奈子だって、黄奈子自身が一番幸せでいれるように…」ということです。

 

ここから先は、この考えを持ってしまった黄奈子がアレコレします。

 

美術室に一人で戻った黄奈子は、桃音に自分の思いを明かします。

桃音は、自分は卒業すらできないと言いますが、黄奈子は「何があっても一緒にいる」と言います。

そして誓いのキスをして、桃音は「黄奈子ちゃんは私と一緒でも嫌じゃない。自分は黄奈子の将来の邪魔にはならないのだ」と確信し、「私も…」と言います。

 

黄奈子が自分の幸せのために「桃音を奪う」。

描かれていませんが、桃音も同じく自分の幸せのために黄奈子を奪っているのではないかと思います。

 

そこから先は言葉通りの意味です。

 

ヌメリ取りも、多分、そういうことじゃないかと思います。

 

 

 

【まとめ】

 

くろば・U先生×どうびじゅ、やっぱりこうなるんですね。

……絶対に許さないからな。

 

この「桃色、黄色、とうめい、はいいろ」は、「どうして私が美術科に!?」という問いに対するまたひとつの答えだろうと思います。

 

でも僕は、やはりこの答えは同人誌らしいように(悪く形容すると、同人誌止まりのように)感じてしまいます。

何故かというと、完全には原作に沿った内容ではないんですよ。

原作一巻の黄奈子は「美術を本当に好きになれるまで、私が美術科に居る意味を桃音がいるからにしてもいいかな」と言います。

しかし、この同人誌では「美術を本当に好きになれるまで」の部分が勝手に消化されているように思えるのです(多分、どうびじゅ読み込んでいる人のほとんどはこの辺りでものすごい違和感を感じていたと思います)。

実際に、この話では二章始めに黄奈子が「桃音がいるから美術科にいる」と言っています。原作と違います。

『じゃあこれは読み込みの浅い人が作ったのか』

そうではないです。桃音はそれを訂正していないのです。

これが「どうして私が美術科に!?」という作品を本当に歪めた部分。

そして、歪めた部分があるからこそ、このような終わり方になっているのです。

 

「どうして私が美術科に!?」という問いに対して、二人はどのような答えを返すのか?

 

原作では絶対にありえない答え。

それでありながらも、どうびじゅのありえたかもしれない姿をしっかりと構成しています。

 

人間の後ろ向きな部分を描く、くろば・U先生。

原作で酒井桃音という人物の強さに惹かれた自分としては、こういった話は本来受け入れがたいものであるはずなのですが、どこかで魅力的なお話だと感じてしまっています。

 

 

「こんな回答でいいのだろうか?」

「しかし、彼女たちが感じているのは、間違いなく、幸せだ」

 

 

感想は以上です。

あと、本筋から逸れそうだったので(実際この作品では重視されていない要素)記事には一切書きませんでしたが、翠玉の黄奈子への感情もしっかり拾われてて(「…すいも画材店」とか)さすが…と感じていました。

翠玉→黄奈子が気になる人は、主に二巻収録分をしっかり読み返してね!(丸投げ)

 

また後日、追記するかもしれません。

長くなりましたが、最後まで閲覧ありがとうございました。

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